池袋 凡記西安肉夹馍 羊肉泡馍

池袋に用事があったのでそのついでにパキスタン料理のマルハバでも行ってカレーかビリヤニを食べようと「池袋の森」方面に向かって歩いていると、「西安肉夹馍」と看板に書いてある店があった。しかもなんと、羊肉泡馍という四文字も見える。これはもう入らずにはおられんと即座に予定変更して入店した。



西安を代表する料理「羊肉泡馍」

西安刀削麺という店が広めたせいか、日本には刀削麺が西安料理だなどと頭おかしいことを言っている連中がいる。だが刀削麺は常識的に山西料理であって、西安にだって刀削麺の店はあるがちゃんと看板に「山西刀削麺」と書いてある。

仮の話として、沖縄そばがあまり知られていない地域に「福岡沖縄そば」という店ができ、そこから沖縄そばが広まったとする。それで沖縄そばは福岡料理だなどと言い出すやつがいたらちょっと知能を疑うだろう。刀削麺が西安料理だと言うのはそういうレベルの話だ。

それに対して羊肉泡馍は正真正銘の西安料理だ。西安には「不吃羊肉泡馍 不算到过西安(羊肉泡馍を食べなければ西安に行ったとはいえない)」という言葉があるほどの、西安を代表する料理となっている。

西安城壁内の東大街には有名な老舗があり、そこにも何度か行って食べたことがある。しかしそれよりも、学校の近くの店によく行った。

当時はまだ鄧小平が生きていて、経済発展を日本に学べという方針であまり反日に偏っていなかったため、我々日本人留学生が行っても歓迎されたし、店主は我々が行くと他の客に「うちの店は日本からの留学生も食べに来る」と自慢していた。

羊肉泡馍は、饦饦馍という不発酵パンをちぎって羊の骨と肉からとっただしで煮込んだ料理だ。老舗に行くと饦饦馍を自分の好みの大きさでちぎってから煮てくれる。学校の近くの店では、それが面倒な人は機械で裁断してくれた。

日本で本当に本物の羊肉泡馍

凡記のメニューを見ると、西安料理をうたっているだけあって肉夹馍、凉皮、羊肉泡馍が看板メニューになっている。肉夹馍に「ロオジャーモーシ」とついているのは謎。肉夹馍の読みはrou jia moで、最後の「シ」がどこから来たのかわからない。

メニューには、日本人の勝手な誤解に合わせて刀削麺も入っていた。ナンを置かなければならない南インド料理店とか、常識がない日本人に合わせて商売するのは大変だなと思う。

羊肉泡馍を注文したら、羊肉泡馍を知っているのかと驚かれた。まあ中国に詳しい日本人でも西安に行ったことがなければ羊肉泡馍を知っている人はなかなかいないだろう。

20年以上前に西安に留学し、その当時いつも食っていたと中国語でまくしたてると納得したようだった。

店内の壁には小栗旬さんとおぼしき写真。

しばらく待たされて羊肉泡馍が運ばれてきた。

見た目が完全に本物の羊肉泡馍で安心した。

いくら西安料理を掲げているとはいえ、日本人に合わせてデチューンしていたら台無しだからだ。

留学中に通っていた店のおとっつぁんから、豆板醤は混ぜずに、食べるのに合わせて少しずつ手前に寄せてすするのが正しい食べ方だと教わっていた。

器をテーブルに置いたまま、器に口をつけてすすって食べる日本では「犬食い」と言われる食べ方で、もちろん普段はそんな食べ方をしないけれど、ここは西安料理店だから西安での作法に従って食べる。

羊からとられた濃厚なだしで煮られた馍。西安で食べていたものとまったく変わりない。違いは黄花菜という茸のようにも見える乾燥させた花が入っていないくらいだ。

あとは、西安で羊肉泡馍の店に行くと、どこでも糖蒜というにんにくの甘酢漬けのようなものを出してくれて、それを口直しに食べるのだが、それが出なかった。

とはいえそれは羊肉泡馍自体が本物の味である以上大きな問題ではない。950円という値段は少し問題だが。

西安に留学やら仕事やらで住んでいたことがあって、羊肉泡馍をまた食べたいという人にはぜひ行ってほしい。現地のものと違ってがっかりすることはないと保証する。

それ以外の日本人は正直あんまり行ってほしくない。現地の味を知らないやつがガタガタ注文つけて味が変わってしまったら困る。

凡記西安肉夹馍の場所

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