今日は中秋節。月の女神・嫦娥を偲び、月餅を食う日だ。
『周礼』に中秋にお粥食うみたいな記述があることから、遅くとも漢代にはすでに中秋節らしきものがあったようだ。
後に、西王母の不老不死の薬をダンナから盗んで飲んだ嫦娥が月に逃げたという伝説と合わさり、名月を愛でながら嫦娥を偲ぶ日となった。
嫦娥はまた道教神の太陰星君となっているので、道教では中秋節に太陰星君のお祭りを行う。
日本には平安時代に伝わったようだ。日本で月でうさぎが餅を搗いているというのは、中国で月でうさぎが薬を搗いていると言われているのをパクったものだ。
さすがに月に関わる行事だから、いくら明治以降の日本人が農暦の行事を新暦の日付にしてもまったく気にしない季節感がこれっぽっちもない民族だといっても、中秋節ばかりは新暦8月15日にするわけにはいかなかったらしい。
月は見えないが月餅食う
ということでアメ横センタービルの地下で月餅を買っておいた。
1個300円。1つで十分なものを2個買うと500円になるということで2個買った。要するに貧乏性なのだ。
例年だと安いけれどうまくないヤマザキの月餅で済ませたりしている。
たまにはちょいといい月餅食ってもいいだろう。
ちなみにこういう月餅は広東式。
五仁月餅の仁は果物などの仁=殻や皮の内側の食べられる部分ということで、つまり5種類の仁が入った月餅だ。
これにはひまわりの種、くるみ、ごま、杏仁、オリーブの種が入っている。2015年に国家標準化委員会が定めた規定により、この5種類が入っている月餅だけが五仁月餅を称することができる。
ひまわりの種の歯ごたえがあり、ごまの風味が口に広がる。他の3種はよくわからない。
オレンジ色のはドライみかん。これが入っているおかげでしつこさがなく、さっぱり食べられる。
ただ、これだけ厚みがあり、五仁がぎっしり詰まっているとかなり食べごたえがあって、これだけで1食分になるぐらいだ。2個は食べられないのでもう1つは明日。
やはりヤマザキの月餅でよかったかもしれない。昨日近所のスーパーに行ったら80円で売られていた。
合わせる茶は茉莉花茶。中華街で350g入りの袋が500円だった安物。
しかし月餅の味が強く、これだと打ち消される。鉄観音茶か紅茶が正解だったのではないかと思う。