新宿百人町の中央線と山手線の線路の間、線路を川に例えるなら三角州にあたるところはアジア系多国籍地域になっている。
大久保通りを北に渡った「イスラム横丁」と呼ばれている一帯はアジア系料理好きにはわりと知られているけれど、ハラールフードショップはイスラム横丁以外にもある。
ネパール料理店のラトバレやベトガトの前にあるこのハラール食材店。以前は野菜やその他商品が雑多に置かれていたスペースにちょっとした軽食コーナーみたいのができたのは確か2ヶ月前ぐらいだったと思う。ネットではパキスタン系という情報があったので、一応パキスタンということにしておく。
あそこらへん、歴史的にも政治的にもいろいろあるので、ハラールフードを標榜していても、パキスタンなのかバングラデシュなのか、はたまたインドのムスリムなのかちょっと聞きにくい部分がある。
店ができたのは知っていたけれどネパール料理を食いに行く予定があったり雨だったりしてなかなか利用する機会がなかった。今日は新宿で用事を済ませるついでに寄ってみた。
こんなにうまいビリヤニが500円!
メニューはこれだけ。
いかにも日本風な感じのカレーライスがちょっと気になる。
ただ、今回はビリヤニを注文。インド料理店でだってパキスタン料理店でだって、ビリヤニが500円で食べられることはまずない。
to goがメインのようだが、店の横に数席椅子があって屋台気分で食べられる。客はいなかったのでここでいただくことにした。
ビリヤニとだけ書いてあるとはいえ、さすがに500円でマトンビリヤニということはなかろうと思っていた。
出されたのは果たしてチキンビリヤニではあったのだが、でかい骨付きチキンが入っている。
米は長粒米。味で品種を当てるなどという芸当は持ち合わせておらん。でもまあパキスタン系の人が作っているならバスマティライスであろう。
味はピリ辛で、それほどスパイスが強くはなく、素朴で優しい味。
店のおとっつぁんが「スパイスアルヨー」と出してくれたなんかのペーストはスパイスというかちょっと酸味があるソースで、これをちょいと混ぜて食べるとまた違う味を楽しめる。
うめえうめえと夢中で食っていると、南アジア系のお兄ちゃんがビリヤニを注文していた。
ウルドゥー語だかヒンディー語だかわからんけど、おとっつぁんにはちゃんと通じていて、しかしなぜかおとっつぁんのほうは日本語で応対するという謎な空間が生まれていた。
食後店の写真を撮っていると店の名前を教えてくれたりチラシをくれたりした。まだSNSもないと言っていたので宣伝してほしかったのだと思う。
公開するのがSNSでなくてすまん。
とにかく500円で食べられるレベルのビリヤニではないので超お買得。
この店にしろ周囲のネパール料理店にしろ、500円出せばガチでうまい料理を食べられるのは、日本に来て苦労している同胞たちに安く食事をしてもらいたいというやさしい気づかいなのだと思う。
そのおこぼれにあずかれるのは非常にありがたいことだ。