上野 日本沙県食坊 沙县拌面套餐

日本人にとって正月とは本来その年の家の守り神となる年神様をお迎えする神事だった。

大晦日に大掃除をして家を清め、門松を目印とし、鏡餅を依り代として年神様をお迎えし、おせち料理を差し上げてからそのお下がりをいただく。

それを明治時代になって勝手に新暦に移した。神様の都合より人間の都合を優先したわけだ。以来日本人は新暦1月1日を正月と呼ぶことになんの疑問ももたず、そして神事としての正月は失われて形骸化して今に至る。家々がまともに守られなくなったのも当然である。

中国や台湾の春節は言うに及ばず、イスラームのヒジュラ暦の新年やインドの(ヒンドゥー教徒による)ディワーリーなど、公的には世界共通の太陽暦を採用していても伝統行事はそれぞれの民族、あるいは宗教の暦に従うという国は多い。というより、伝統行事を新暦の日付で行ってなんの疑問をもたないバカな国は日本ぐらいのものだ。

ゆえに自分にとって新暦1月1日とは単なる西洋暦の切り替わりの日でしかない。

とはいえ両親は新暦1月1日を正月として疑いを持たない大多数の日本人の側であるから、12月31日には帰省し、一泊ほどはすることにしている。

そんなわけで昼には実家をそそくさと後にして、ちょっとはやめの夕飯を食べようと夕方ごろにアメ横に向かった。アメ横なら開いている店が多いはずだからだ。



手作りの蒸饺がうまかった

とはいえランチタイムとグランドメニューが別の店だとディナータイムは割高になる。金額をおさえるには1日を通して同じメニューを提供している店に行かねばならない。

ならば蘭州拉麺かと思って上野広小路方面に向かう途中、ふとそういえば沙県小吃の店があったことを思い出した。

そこで日本沙県食坊に行ってみるとちゃんと営業していた。中国人にとっても新暦1月1日は特に大きな意味はない。

夕方5時になるかならないかという時間に入ったが店は中国人で賑わっていた。中国人が多いのは味が保たれているという証拠であるから喜ばしい。

多少奮発して沙县拌面、炖罐、蒸饺のセットにした。

炖罐は4種類から選べるので茶叶菇炖排骨を選択。

最初に運ばれてきたのが茶叶菇炖排骨。茶叶菇はきのこの一種で、それと排骨の蒸しスープだ。

排骨からのだしがしっかりでて、他に生薬やごぼうのような味もする。肉は骨からするっととれるのにしっかり歯ごたえも残っている。これはかなりうまいスープ。

次に沙县拌面。福建省沙县の伝統小吃。

麺の下にしかれたたれとよくからめて食べる。

花生酱と芝麻酱がブレンドしてあるようだ。地味だが素朴なうまさが光る。

この2つを食べ終わっても蒸饺が来ないので店員に言ったほうがいいかと思っていたところ、ホールスタッフのほうが先に厨房に蒸饺がどうこうということを言っていた。すると、自分が座っていた席から見える厨房の位置で餃子を包み始めた。やはり忘れていたようだ。

ただ、これでこの店の餃子が冷凍品ではなく手作りであることが確認できた。

しばらく待たされて出てきた蒸饺。

皮がもっちりとして餡はしっかり詰まった歯ごたえ。どちらもかなりしっかり練らないと出ない味。うっかりはあっても仕事には手抜きがないところに好感が持てる。

なかなかに堪能できたのでここを選んでよかった。

日本沙県食坊の場所

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク