昨年の10月末にピラブカウが閉店し、姉妹店のバーンカオケンと吸収合併して新生ピラブカウになっていたということを、先週になってやっと知った自分だった。
で、先週すでに新生ピラブカウが日曜営業だということを確かめていたので行ってきた。
店に入ると、バーンカオケン時代からちょっと店内レイアウトが変わっていた。大きな変更点としては、バーンカオケンはおそらくコストダウンのためだと思うのだけれど、大量に作り置きしていた料理を注文が入ると取り分けて電子レンジであっためるというスタイルで、その作りおきの料理を置くスペースが出っ張っていたのだが、出っ張りの部分がなくなってその部分も客席にされていたこと。
つまりは旧ピラブカウと同様作り置きではなく注文を受けてから作るスタイルになったようだ。
カオムーデーンというよりタイ式三寶飯
ランチのメニュー。
旧ピラブカウのときから100円ほど値下げしている。
裏にはバーンカオケン時代のランチメニュー。こちらは100円値上げ。
吸収合併にあたって値段を調整したようだ。
バーンカオケンは作り置きとはいえ味のレベルから言えば600円では安すぎと思っていたから100円ぐらい上がっても問題ない。
メニューに旧店舗のときにはなかった気がするチャーシューカリカリライスというのがあったからそれを注文した。
ピラブカウのほうのランチについていたヤムウンセン風サラダは健在。
スープはきくらげと豆腐入り。おまけスープとしてはレベルが高い味。
で、チャーシューカリカリライス。
といいつつ乗っているのはチャーシューだけではなかった。
まず腸詰め。干した腸詰めを焼いた感じで肉がぎゅっとしまっていて味がぎゅっと詰まっていてとてもうまい。
チャーシューは広東式の周囲に紅糟を塗ったスタイルで、あとカリカリに焼いた豚肉。
つまりチャーシューカリカリライスとは、カリカリのチャーシューが乗っているのではなく、チャーシューとカリカリ肉のライスということらしい。
チャーシューは日本式のチャーシューとは名ばかりの煮豚とはまったく違いしっとりとした食感で、焼いた豚肉のほうは本当にカリカリ食感。
これに腸詰めも乗っているのだから、いわばタイ式の三寶飯だ。
三寶飯というのは香港の料理で、叉燒とか燒肉とか燒鴨とか燒雞とか白切雞とか香腸とかの中から3種類が乗せられているものだ。
香港には行ったことがないけれど、台北の香港式臘味の店でなら食べられるので何度か食べた。
これはおそらく香港からか広東からかの華僑がタイに伝えたものなのだと思う。
ただし、香港のは知らんが、台北で食べた三寶飯は肉が乗っけてあるだけでたれはかかっていなかった。
にんにくの風味があるたれをかけるあたりがタイ式にローカライズされた部分なのかもしれない。
添えてある黒いのはシーユーダムに唐辛子を加えたもの。これをかけるとあじにコクが加わるが、わりと好き嫌いが分かれる味ではないかと思う。
しかしタイ風になっているとはいえ三寶飯を食べられるとは思わなかったので非常にうれしい。
タイ料理には中国人が伝えてローカライズされたものも多いので、中国人の店に行きにくい今、タイ料理の店で中国由来の料理を食べるというのもありではなかろうか。