昼過ぎの神保町で、このまえアメ横で食べた屋台の馬さん餃子酒場の本店があったはずだから行ってみようとすずらん通りの路地に入るとこの川国志という店があった。池袋の座・麻婆唐府といい、なぜ変なダジャレに走ろうとするのか…
麻婆豆腐が名物だと書いてあるのでとりあえず入ってみることにした。
落胆からの良い意味での裏切り
上野や池袋と違い、神保町のしかも裏路地という場所柄、店内にいる客は日本人だけのようだった。
これがランチメニュー。
中国語表記がない。つまり客層が完全に日本人だということだ。
ただ、2番のトマトと玉子の塩味炒めにはちょっとひかれた。これはつまり西红柿炒鸡蛋であろう。中国人向けならともかく、日本人向けの店でこれを置いてあるのはめずらしい。
とはいえ西红柿炒鸡蛋は四川料理ではないし、なにより今はトマトの季節ではないから見合わせた。
ということで名物とアピールしている麻婆豆腐を大辛で注文。
これが麻婆豆腐定食。
麻婆豆腐、ご飯、スープ、漬物、杏仁豆腐になぜか春巻。
メニューと客層で半ば落胆し、あきらめていたが、実際に料理が運ばれてきて良い意味で裏切られた。
見た目がちゃんとした麻婆豆腐だ。大辛仕様だからか花椒もたっぷりかかっている。
なにより肉の姿があまり見えないというのがポイントが高い。
一口食べてみると、まず豆腐がうまい。
そして辛さは大辛というだけあって相当のもの。
残念ながら見た目ほど花椒のしびれはない。どうも同じ花椒でもしびれが薄いものがあるようで、うちにあるアメ横で買ってきた中国産の花椒もたくさん使ってもあまりしびれない。
あと平日ランチということでかニンニクがほとんど入っていないようだ。これはオフィス街のランチならしかたないことだろう。
麻婆豆腐というのは豆腐の煮物だ。豆腐がうまくなければ話にならない。
そして無駄な肉はいらない。日本で麻婆豆腐と称する料理はほとんどひき肉と豆腐の炒めもののようになっている。ひき肉の中に豆腐がうもれているようなものが麻婆豆腐であるはずがない。
その点この店はちゃんと豆腐の味で勝負している。
それに、日本ではなぜか入れると本格的な味だということになっている甜麺醤が入っていないのもいい。麻婆豆腐に甜麺醤など入れたらだいなしだ。
豆腐のうまみとあまみがクソ辛い味付けと引き立て合うというのが麻婆豆腐だ。
日本でうまいと思える麻婆豆腐に出会えることはほとんどない。だから自分で研究して、ちゃんとうまい麻婆豆腐を作れるようになった。日本で自分で作る麻婆豆腐よりうまいと思ったのはこれまで数例しかない。この店の麻婆豆腐は、その数例の中に入る。
もっとも、大辛以外の味はどうなるのかは知らん。
あとどういうわけかついている春巻は冷めてまずかった。メインの料理がうまいのだからつける必要はないだろう。
そして、杏仁豆腐がなにげにとてもうまかった。
四川料理 川国志
ジャンル:四川料理
住所:〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-13(地図)
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情報掲載日:2019年1月16日