実家に戻ってきてまずやらされたのが庭の草取りだった。特にドクダミが大量にはびこっていて、ドクダミの呪いを受けるのではないかというぐらい大量にむしっている。
その葉っぱの一部は乾燥させてから煎ってドクダミ茶にした。あと、生葉は天ぷらにして食ってみたけど、まずくはないがうまくもない。
なんか他にうまい食い方がないのかといろいろ調べているうちに、中国の一部地域ではドクダミの地下茎を生で食うらしいことがわかった。
なぜかいい感じの香りになるマジック
中国ではドクダミを折耳根という。
ドクダミは地下茎を伸ばして増えるので、一度はびこったら駆除するのは難しい。地上に出ている部分をひっこぬいているが、地下茎からまた伸びるから引っこ抜くのは気休めのようなものだ。
ただ、土の柔らかいところから抜くと、長い地下茎までいっしょに抜けてくることがある。
つーことで、そうやって抜けた比較的長い地下茎を集めた。
土をきれいに洗い流し、地下茎の節々から生える根っこも大雑把に取る。
それを食べやすい長さにちぎって器へ。
醤油、砂糖、辣椒酱、花椒粉を加える。
ドクダミの地下茎とよくからめたらできあがり。
かじってみると、葉っぱからも発しているドクダミの香りが口の中にただよう。中国では鱼腥草、魚のように生臭い草とも呼ばれているように、このにおいが嫌いな人も多いだろう。
自分もドクダミのにおいが好きなわけではなかったが、なんということでしょう、たれとからめたドクダミの地下茎の香りは、単体のいやなくささではなく爽やかなハーブのごとき香りに変貌した。
これにはびっくりである。
ただ、かなり筋っぽくて固かった。
細いほうが柔らかいのではないかと思っていたが実際はその逆で、細いほうが筋っぽくて噛み切れない。比較的太いものはポキポキした食感で噛み切れて、細いものよりは固くない。
いろいろ調べた過程で中国人はかなり太い地下茎を食べていたのだが、それはそのほうが食べやすいからだったようだ。
しかし、庭の手入れ的にはあまり太く育ってほしくないので育つ前に刈るとして、食べる用は山のほうにでも行ったおりに太いものがあったら掘り出してみようと思う。