業務スーパーでさつまいもデンプンの春雨をみつけたので、これで蚂蚁上树を作ってみようと思い買ってみた。
粉丝、つまりは春雨は中国では一般的に緑豆のデンプンを使うが、それに次いでさつまいもデンプンが原料の红薯粉丝もよく使われているようだ。
蚂蚁上树
蚂蚁上树は四川料理の一つで、どちらかというと家常菜=家庭料理寄りのイメージがある。そのためか作り方も様々だ。
蚂蚁上树には伝説というか言い伝えみたいなものがある。
親の借金のかたとして蔡ばあさんに売られた窦娥という娘は蔡ばあさんに実の娘のような孝行を尽くしていた。
あるとき蔡ばあさんが病気になり、窦娥はばあさんの看病をしながら家事にいそしんだが、薬の代金がかさんで金がなくなってしまった。
そこでばあさんに食べさせる料理を作るため肉屋に行ってツケ払いを願ったが、以前のツケがまだ支払われていないからと断れれてしまう。
窦娥はそれでも肉屋にしつこくせがんだら、肉屋は小さな肉の塊をくれた。
窦娥は小さな肉の塊を細かく刻み、残っていた粉丝と一緒にいためた。
それをばあさんに出すと、肉があまりに細かいのでばあさんはなんでこんなに蟻がたかってるんだい?と聞いたが、食べてみると非常にうまい。
それでばあさんはこの料理を「蚂蚁上树」と名付けた。
まあ、料理の起源にまつわる伝説などというものはこれぐらい適当でもいいのではないかと思う。
蚂蚁上树作ってみた
これまで蚂蚁上树を作ったことはなかったので、百度でレシピを調べた。
その中から自宅にある材料を使って作れる感じに再構成して作った。
作り方を載せるが分量は載せない。なぜならそもそも量っていない。
まず红薯粉丝を熱湯に10分ほどつけて戻す。
その間ににんにく、生姜をみじん切りに、鷹の爪を大雑把に切り分けておく。
あと、昨今ひき肉はお高いので、ハナマサで買った業務用価格の豚の切り落としを刻んだ。
鍋に油を注ぎ、花椒粉、ニンニク、生姜、鷹の爪を弱火で炒める。
本当なら泡椒を使いたいところだが、さすがにそこまで揃えてはいない。
香りが立ってきたら豆板醤を加えて炒める。
豆板醤の香りが出てきたら肉を加え、砂糖、醤油、老抽でベースの味をつける。
肉に火が通ったら、水と鶏ガラスープの素を加え、戻した红薯粉丝を加えて煮る。
粉丝が汁気を吸って水分がなくなったら、ねぎのみじん切りを加えてさっとまぜてできあがり。
本来は青ねぎを使う。今回は安売りのときに買ってみじん切りにして冷凍しておいた長ネギを使用。
※反省点
・粉丝が太くて肉がからまない。これでは蚂蚁不上树である
・肉の刻み方が足りずに塊がでかい。これではオオヤマアリである
・もっと辛くすればよかった
初めて作ったゆえの反省点があるとはいえ、それなりにうまい。少なくともこのまえ神田で食べたやつよりはうまい。
红薯粉丝はもちもちの弾力があって食べごたえがある。
ただ、豆板醤はこの倍ぐらい入れてもよかったと思う。もしくは仕上げに辣椒酱をかけてもよかった。
次は普通の緑豆粉丝を使って作ってみよう。