今回はめずらしく行き当たりばったりではなくネットで調べて知った店。
秋葉原から神田川を渡ってちょっと行ったブロックの路地裏にいくつか中華料理屋が並んでいる一角があって、川味坊はそのうちの一店だ。ネットの情報によると、ランチを一品注文するとチャーハンや麻婆豆腐などが食べ放題になるサービスよすぎな店らしい。
店先の看板にも確かにそう書いてある。
コスパよすぎってレベルじゃねえ!
ランチメニュー。
この店にも刀削麺がある。最近は四川料理の店に行っても刀削麺が置かれている率が高い。それだけ注文数も多いのだろう。南インド料理の店でもアホのためにナンを置いておくというのと同じ理屈ではないかと思う。
今回は1番の日替わり定食を注文した。牛肉の黒胡椒炒め、つまり黑椒牛肉は、牛肉がお高い日本ではあまり食べる機会がないが、留学中はよく食べた。特に学校の近くの留学生がよく行く店では、鉄板に乗せてきた料理の上にソースをかけるというパフォーマンスをするので、その瞬間テーブルクロスでソースのハネを防ぐのが恒例であった。
本番マーボー春雨となっているのは蚂蚁上树だろう。本場と書きたかったものと思われる。
ていうか、日替わり定食は黑椒牛肉か蚂蚁上树のどちらかを選ぶものと思って牛肉の黒胡椒炒めと注文したのだが、二品来た。
しかも、どちらも一品として出しても文句が出ない量である。
黑椒牛肉は牛肉はしっかり下味をつけてあり、野菜とともに油通しをしてから炒めてある。
黑椒牛肉というわりには黒胡椒が控えめではあるが、味はうまい。
なにより牛肉がでかい。筋っぽくなくやわらかいので、安売りするための安物牛肉を使っているわけでもなさそうだ。
これ一品で730円とっても誰も文句を言わないと思う。
蚂蚁上树は、先日自分で作った蚂蚁不上树とは違い、粉丝を持ち上げるとしっかりひき肉が絡んでくる。
ひき肉の粒の中に、たまに大きめのものが含まれているし、一般的なひき肉よりは粒が小さい。ということはこのひき肉は店で肉を叩いて作っているのだと思う。
辛さは控えめになっているものの、味のベース自体はしっかり中国的で非常にうまい。
わざわざ螞蟻上樹と表記しているここの近所の店のものは、どっちかというと日本の「マーボー春雨」寄りの味だったのに、この店は「マーボー春雨」などというインチキな表記を採用しているのに、しっかり本物の蚂蚁上树を出してきた。
一応食べ放題の唐揚げと水餃ももらいはしたが、料理がどーんと来たので控えめにした。
こちらのほうは食べ放題ということでかわりと手抜き気味でたいしてうまくはない。
だが、注文した料理のほうが十分うまいので問題ない。
注文するなり食べ放題メニューを山盛りにしてきている人もいて、それはまあその人の自由ではある。
だが、明らかに手抜きの食べ放題コーナーで腹を満たすより、きっちり作ってくれる料理のほうを楽しんだほうがいいのではないかとも思う。
この日替わり定食は、本来730円で食べられるレベルのものではない。都内のランチなら倍の1500円とってもいいレベルだと思う。
この店は、定食価格で食べ放題になるという部分ではなく、レベルが高い料理がありえない安さで食べられる店として紹介されるべきではないだろうか?
中国料理 川味坊
ジャンル:中華食べ飲み放貸切宴会
アクセス:地下鉄丸ノ内線淡路町駅 A1番出口 徒歩1分
住所:〒101-0041 東京都千代田区神田須田町1-8-7 神田前原ビルB1(地図)
姉妹店:四川厨房 随苑 神田須田町
ネット予約:中国料理 川味坊のコース一覧
周辺のお店:ぐるなび 神田×中華料理
情報掲載日:2019年2月21日