飯田橋に香港式の茶餐廳があると聞いて行ってきた。香港式の茶餐廳はあるわ、西安式の肉夹馍はあるわ、清真料理はあるわで、東京の中国食文化の多様化と充実ぶりはすごい。それにひきかえ東京における台湾の食文化は限局的で値段も高めなので、台湾人には中国人に負けずに頑張ってほしい。
香港の茶餐廳
香港を代表する食文化といえば飲茶を思い浮かべる人もいるかもしれない。飲茶は広東の伝統食文化で、茶を飲みながら点心を食べてだらだらするというものだ。
それに対し、イギリス時代に根付いた紅茶やコーヒー、そしてサンドイッチなどの軽食、ちょっとしたお菓子やかき氷などを出す、飲茶よりももっと気軽に入れる店が「冰室」と呼ばれるものだった。
茶餐廳は冰室が進化して、もうちょっとしっかり食事もできるようになった感じの飲食店だという。
今ではだいぶ廃れたが、日本でもコーヒーや紅茶の他に、スパゲティーやカレー、ピラフなんかを出す喫茶店が広まった時代もあった。茶餐廳はそれに近いものだと思われる。
香港映画の世界
ランチの時間を過ぎてから入ったので、店内は3割程度の入り。
先客は日本人もいるようだが、広東語が飛び交っている。
広東語はまったくわからない。
店内は鄭伊健主演の『九龍冰室』に出てきた冰室に通じる雰囲気がただよっており、飛び交う広東語とあいまってまるで香港映画の中に入ったようだった。
オーナーとおぼしき眼鏡をかけたおじさんも『Mr.Boo!』に出てきてもおかしくないようなキャラクターで、とても素敵な空間だった。
香港映画が好きな人は店に入るだけで楽しめるはずだ。
これはまるでプリンタルト
こちらはドリンクや軽食類のメニュー。
他にワンタン麺などの麺類や、叉焼飯などのごはん類などが並んだメニューもあった。
今回注文したのは鴛鴦茶と蛋達。
鴛鴦茶というのは香港ならではの飲料。
ミルクコーヒーに紅茶を混ぜたというか、ミルクティーにコーヒーを混ぜたというか、コーヒーと紅茶を混ぜたところにミルクを加えたというか、まあそんな飲み物だ。
正直うまくはないので、香港っぽい雰囲気を楽しむためだけに注文したものだと言っていい。
あと蛋達。つまりエッグタルト。
本当は菠蘿包を食べたかったがないと言われた。
台北にいたときに西門町に香港スタイルの茶餐廳を見つけたので、香港在住の友達に茶餐廳といえばこれ食っとけみたいなのある?と聞いて返ってきた答えが菠蘿包だった。
菠蘿包というのは日本のメロンパンに似たパンのこと。台湾ではほぼ日本式のメロンパンを波羅包として売っている。
しかし台北の茶餐廳で食べた菠蘿包は、外見こそメロンパンに似てはいたものの、味はまったく別物だった。
そもそも菠蘿包はメロンパンのように甘くはない。
ということで、初めて入る店だから菠蘿包を食べたかったわけだ。
香港式のエッグタルトは20年ほど前だったかに流行して、台湾にも飛び火していた。そのころ台北で売られていたエッグタルトを食べてみたけれど、そんなにうまいものだとは思わなかった。
ところが、この店のエッグタルトはまるで別物。タルト生地に入った部分はまるでプリンのようで、エッグタルトというよりプリンタルトという感じ。というか、日本でならプリンタルトという名前で売ったらはやるかもしれない。
そもそも香港に行ったことがないのでこの店のエッグタルトが香港のスタンダードスタイルなのかわわからないが、このタルトを食べるためだけでもこの店に行く価値はあると思う。
しかし次はやはり菠蘿包を食べたい。
香港 贊記茶餐廳
ジャンル:カフェ
アクセス:東京メトロ東西線飯田橋駅A5口 徒歩1分
住所:〒102-0072 東京都千代田区飯田橋3-4-1(地図)
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情報掲載日:2019年3月1日