自分は歌舞伎町の風俗店も入っている雑居ビルだろうが、ほぼ中国語しか通じない中国人御用達の店だろうがわりと平気ではいっていくたちだが、一つだけ入りにくいと感じるタイプの店がある。
それは、店の外にメニューと値段を書いたものがない店だ。
この店は百人町のラト バレ レストラン&バーの1件おいた隣あたりのビルにあって、道路にメニュー看板も置いてはいるのだが、値段が書かれていなかったので、値段も表記していたラト バレ レストラン&バーのほうを選んでいた。
ただ、ラト バレ レストラン&バーのすぐそばにあって、大きくボッタクリ価格になっていることもなかろうと判断し、入ってみることにした。
怪しさ満点ですばらしい店
店内に入るとそこは食材店だった。
あるぇ~と思って思わず店内を見渡していると、ネパール人らしき店員に「レストラン?」と聞かれたので「レストランレストラン」と答えると、店の奥を指さされた。
食材店の奥に入り、左へ曲がると、客席らしきものがある。
店内はこんな感じで、部屋の奥にいくつか座席があり、予測どおりネパール人しかいなかった。
窓もなく飾り気のない素っ気なさは、まるでネパールの場末の食堂にでも入ったようで(ネパールに行ったことはないが)、雰囲気的にはラト バレよりも怪しく、こういう怪しさは大歓迎である。
自分史上3番目にうまいマトンカレー
メニューを見ると、思った通りラト バレとそれほど変わらない価格設定だった。
どうもこれはランチメニューではなく、1日を通じてのメニューのようだ。
最安値500円のAセットを注文。ここはなんとマトンカレーとチキンカレーを選択できる。
迷わずマトンカレーをお願いした。
かなりの大盛りご飯に、トマトのアチャール、スライスした生野菜、サグというのは青菜のことだろう。自分はまだネパール料理についてそれほど詳しくないが、じゃがいものスパイス和えはタルカリというやつだと思う。
Aセットにはタルカリがつかないはずなので、サービスしてくれたのだろうか?それとも、冷えていたから余り物をつけてくれただけだろうか?
そして、ダルカレーとマトンカレー。
量は少なめとはいえ500円でマトンカレーを食べられるというのは、インド料理店だったらありえない。ネパール人経営のインド料理店でもありえない。
ダルカレーは、若干、本当に若干だがラトバレのほうがうまかったように思う。
ただ、マトンカレーはうまかった。
これまでの人生でもっともうまかったマトンカレーは、浦和のガード下にあったスリランカ料理店のもの。だがこの店はもうない。
2位は池袋のマルハバ。
それらに次ぐ3位といってもいいうまさのマトンカレーだ(あくまで自分ランキング)。
まずマトンのくさみを抜いていないのがいい。
日本人向けの店だとマトンカレーを食べても臭みを徹底して抜いてあり、そして旨味も抜けている。
ところがこの店では、臭みは抜かず、スパイスで抑えているおかげで、マトンのうまみが生きている。
ただ、本当にマトンかどうかはちょっと怪しい。
肉は骨付きで、皮も残っている。皮の部分のぷるぷる具合がとてもうまい。
が、どうもこれは沖縄で食べた山羊汁に入っていたヤギに似ている。
例えば中国人は、ヤギと羊の区別はつけない。ヤギも羊も「羊」だ。
西安の羊肉料理は、安い店だとヤギを使っていた。
帰宅後調べると、どうやらネパール人もヤギと羊は区別しないらしい。
とはいえ、ヤギも羊も味にたいしてかわりはない。
沖縄に住んでいた頃は、地元の人にヤギを食べられたら一人前などと言われた。
だが、西安で羊肉ことヤギ肉を食べ慣れていた自分に、沖縄のヤギ料理などたいしたことはなかった。
近所の人に山羊汁とヤギ肉の刺し身をいただいたときは、それはおいしくいただいたものだった。
もしかしたらこの店のマトンはヤギかもしれない。
日本で羊よりヤギのほうが安いかどうかは知らんが。
骨以外は全ておいしくいただいたら、店のおとっつぁんに「ご飯おかわりは?」と聞かれた。
ラトバレでは聞かれたことがなかったが、ネパール料理の店では、ダルバートはおかわり自由でダルカレーもおかわりで出してくれるらしいことは知っていた。
ただ、これだけ大量のご飯なら、自分にはおかわりは必要ない。もっと若く健啖なころならお願いもしただろうが…
これから百人町でネパール料理となったら、怪しさとマトンカレーのうまさでこっちを選ぶことになりそうだ。
ベットガット
ジャンル:ネパール料理
アクセス:JR山手線新大久保駅 徒歩2分
住所:〒169-0073 東京都新宿区百人町1-11-31 新大久保ビル1F 食材店のカンティプール奥(地図)
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情報掲載日:2019年3月8日