上野 延吉香 石锅牛肉炖土豆

御徒町駅のすぐ横、吉池の隣りのビルに延辺料理の店があるのに気づいた。ランチは一律700円と安く、またいくつかはそこらの中華屋の定番料理があるものの、他に見ないような料理も多いので、興味をひかれて入ってみた。



延辺朝鮮族

満州の吉林省には延辺朝鮮族自治州というのがある。その中心となるのが延吉だ。

満州を含む地域まで支配していた高句麗と、現在の朝鮮民族に連続性があるか否かについては定かではないし知ったことでもないからさておくとして、満州と朝鮮半島は地続きであるから、満州への朝鮮民族の流入もあった。

ただ、実際のところ現在中国の少数民族に入れられている朝鮮族は、満州国の時代に朝鮮半島から移住した人たちの子孫が中心になっていると考えられる。

満州国は日本の傀儡国家とはいえ、商業工業が発展し、朝鮮の人たちにとっての新天地となった。というか、日韓併合によってうまいことやって儲けた朝鮮人もしくは韓国人がいた反面、そのせいで食い詰めた人たちもいた。そういう食い詰めた人たちが、多く満州に移住したようだ。

そして、日本が負けて満州国が解体され、毛沢東がどさくさ紛れに満州を中国の領土に組み込んだとき、そのまま満州に残った朝鮮人移民が、朝鮮族という少数民族にされた。

そのへんの歴史を知らないアホが、東北料理の店に韓国料理に属するものが入っていると疑問をもったりするようだが、もともと朝鮮人もしくは韓国人なのだから、半島の食文化をもっていて当然で、その代表が北朝鮮の料理でもある冷麺だ。

冷麺は中国十大面条の一つである。というのはつい最近知った。

もともとの半島の食文化と、満州の遊牧民の食文化が融合したものが、いわゆる延辺料理というやつで、日本で中国東北料理となっているのはほとんどがこれだが、東北料理の店では四川料理も出すことが多い。

起源はハンガリー料理の中国料理

これがランチメニュー。

油淋鸡や宫爆鸡丁、木须肉などどこでもあるようなありきたりのメニューがある反面、青椒护心肉や溜肥肠など他ではあまり見ないものもある。护心肉というのはハラミ、つまり牛の横隔膜だ。

そちらもひかれたものの、今回はランチメニューで大きく推している「石锅牛肉炖土豆」を選んだ。

石鍋というのは日本の韓国料理店で開発されたものだそうだが、牛肉とじゃがいもの“炖”=煮込みというのは中華料理というより半島料理っぽく、わざわざ延吉を掲げる店で食べるならこれがいいだろうと思ったからだ。

いわゆる石焼ビビンバ用らしき石鍋に盛られて運ばれてきた。

石鍋の効果でまだぐつぐつ煮えている。

中身は牛肉、じゃがいも、トマト。

味はそれほど濃くなく、煮汁もスープとして飲める。

すこし筋っぽい牛肉は煮込まれることでうまさを開花させているようだ。

八角が牛肉のくせをおさえて味を引き立てている。

じゃがいものほうはなんというかフツー。

付け合せのザーサイはキムチと和えてあるようで、いかにも朝鮮文化と中国文化が融合した朝鮮族らしい。

具を食べきってからご飯のおかわりをもらい、残った煮汁に投入。

ご飯を加えるとより八角の香りが引き立っってうまい。

これはなかなか掘り出し物の料理で、700円でこれが食べられるのは破格といっていいだろう。

そして、帰宅してこの牛肉炖土豆の素性を調べると、意外なことがわかった。

実はこの料理、ハンガリーの伝統料理であるグヤーシュというスープが、まずソ連に伝わり、ソ連を経由して中国に伝わり、そして中国化したものだという。

ハンガリーで八角や醤油は使わないであろうから、そこらへんが中国化の部分だろう。

東郷提督がビーフシチューを知らない料理人にビーフシチューを作らせたら肉じゃがになったというのに似た話だ。もっとも、東郷提督云々は都市伝説らしいが。

それがさらに、日本での韓国料理を取り入れ石鍋で供されることになったのが、今日食べた石锅牛肉炖土豆だということになる。

つまりは延辺朝鮮族独自の料理ではない。だが、それはそれでなかなかおもしろい料理が食べられたと思う。

中華延辺料理 延吉香 御徒町店
ジャンル:中華料理
アクセス:JR京浜東北線御徒町駅南口 徒歩1分
住所:〒110-0005 東京都台東区上野3-27-3 ハトヤビル3F(地図
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情報掲載日:2019年3月13日

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