東新宿の蝎子王におひさしブリーフの訪問。ここはランチを土日の11時から14時という短時間しかやっていないのでなかなか行く機会をとれないのだ。
すぐそばに韓国式のチーズドッグといったか?チーズ入りアメリカンドッグの店ができていた。ああいうのに並ぶのはバカだと相場が決まっているから、通行のじゃまになってしかたがない。
店に入ると店主のおとっつぁんのお出迎え。しかし前回も今回も昼飯時だというのに客は自分ひとりしかいないから、それぐらいの短時間営業でいいのだろう。
ランチメニュー。
冷麺なんかが入っているのは、ここが東北朝鮮族系の店だからではなく、単にコリアタウンの近くにあるからではないかと思われる。
今日の目的は炸酱面。セットになっているのが謎だが、とりあえず注文する。
聞いてみたら、ランチメニュー以外にこっちの主食類も注文できるというので蒸饺もお願いした。蒸饺は時間がかかると言われたが、それはこれから包んでくれるという意味であろうから否やはない。
ガチな京都炸酱面が来た
京都というのは中国語では首都という意味の一般名詞で、それを地名にするのはバカだとしか言いようがない。
ちなみに府は中央という意味があるので、京都府というと首都中心という意味になる。東京都は東首都。意味的には京都のほうが日本の中心っぽい。つまり京都の連中がいまだにみやこびとだなどと勘違いしているのもしかたがない。
日本では天皇陛下がおわすところが都であるから、遷都のおり江戸は京都とすべきだった。
とまあそれはさておき、つまり京都というのは現在は北京のことだ。炸酱面は北京の庶民料理の代表であるから京都炸酱面とも呼ばれる。
で、こんなのが来た。
たしかにセットだ。
本格的すぎる。
中国でも西安あたりで炸酱面をたのめば、最初から麺の上に炸酱が乗っけてある。
炸酱が別添えで来る炸酱面はこれまで食べたことはない。
北京では炸酱を大きな器によそい、きゅうりやもやし、ゆでた豆などを添えて、各人には麺が入った器が配られて、自分で好きな取り合わせにして炸酱をかけて食べるという。
これそういう北京の風習を知らない日本人に出したら、炸酱面用の野菜と付け合せのサラダの区別がつかないのではないか?
一つ言いたいのは、なぜここまで凝っているのに麺は中華麺なのかということだ。
このまえ食べた羊湯麺も中華麺の細いやつを使っていた。
理由はいくつか考えられる。
1.料理人が麺を打てる技術を持っていない
2.料理人の人手が足りないので、麺を打つ手間は省きたい
3.このほうが安上がり
まあそのへん詮索してもしかたないので、とりあえず炸酱と野菜を麺に乗せる。
そして混ぜる。
炸酱は甜麺醤だけの単純な味ではなく、黄酱のうまみと塩気も加わっておりまことにうまい。
黄酱というのは大豆の発酵調味料で、日本の味噌に近いというか、日本の味噌がその亜流なのだろう。
肉はひき肉ではなく豚肉のぶつ切り。
しかし、どうせ麺を打てないなら中華麺などではなく冷凍讃岐うどんでも使ってくれたほうがよかった。そっちのほうが中国の麺に近くなる。
とはいえ本場物に近い炸酱面はやはりうまかった。
炸酱面を食べ終わるころに蒸饺到着。
大きさが不揃いなのがいかにも手作りだ。
蒸饺の皮は水餃のつるんとした食感とはまた違う味わいがある。香港飲茶式のちょっとお上品な蒸饺ではないこういう庶民的な蒸饺もいいものだ。
関係ないが壁にかかったテレビで流されていた中国のドラマがアホっぽい内容でおもしろかった。中国人も台湾や日本のドラマに影響されて垢抜けたものを作るようになったものだなあと思う。